A4版 36ページ
初版(2013/3/31)
言語 日本語
定価(本体2500+税)
ISBN 978-4-87662-559-8
発売日:2013年3月31日

太田隆司と新井隆。二人の“たかし”の手によって生み出されるペーパーアート。
平面ではなく、立体でもない世界は、緻密な計算と地道な努力によって生まれる。
色を塗るのではなく紙の色を探す。男と女の肌の色ですら、それぞれ違う色の紙を使い分ける。使用する紙の質感を変えることで、それが硬いもの、柔らかいものと感じさせる。そして、髪の毛のハイライトも看板の文字も、壁の煉瓦も全てをカッターで切り分けることで、作品に深みを与える。
そうして仕上げたパーツを、遠近法を駆使して設計された舞台の上の、ここしかない場所に配置していく。
出来上がった作品を、想定された一点から見ると、奥行きのあるリアルな情景に出会うことができる。そこでは、人はまるで生きているかのように輝き、犬は駆け回り、クルマは動き、描かれた街の喧噪が聞こえて来るような錯覚にかられるのである。
カッターと紙だけで、人にここまでの世界を魅せることができる。これが、太田隆司が紙の魔術師と呼ばれる所以である。(SHOW-WA STORYあとがきより)