随想 モラリストの系譜 モラル、良心、真実
モンテーニュ、プーシキン、シェイクスピアをめぐって

?橋良子著

四六判・上製本 本体(1905円+税)
2013年1月20日発行
ISBN 978-4-87662-554-3

六十有余年前、渡辺一夫氏から「モラリスト」の話を聞き、いつしか忘れてしまっていたが、私が表題にした「モラル、良心、真実」は、価値観の多様化している今日でも、追求されねばならないのではないだろうか。(「あとがき」より)
著者は、宗教戦争の嵐が吹き荒れる16世紀のフランス社会にあっても、冷静に社会と人間をみつめるモンテーニュの処世に、著者自身を投影し、さまざまに思いを巡らせる。
モンテーニュの『エセー』に端を発するモラリストの思想は、その後、西欧のキリスト教思想の底流となって、その先にあるフランス革命へとつながっていく。プーシキンやシェイクスピアにもその思想は脈々と流れている。