大浦ふみ子 著

四六判・上製本

年明けそうそうのテレビは、福島第一原発の高濃度放射能汚染水漏れのニュースを伝えてきた。…海を放射能の捨て所にしてよいものだろうか。海の汚染水はいずれ海の生きものだけでなく、すべての生きもの、人類にも還ってくるものなのだから。
今さら言っても取り返しのつかないことだが、わたし達国民はなぜそんな危険なものを受け入れてしまったのだろう。湧いてくるのは自戒をこめた口惜しさである。
ここでわたしは知りたくなった。原発の町に暮らしている人々の気持ちはどうなのだろう?
ここに収めた二つの作品は、東松浦半島を何度か訪れ、地元で出会った元教師や米農家の人から聞いた話をもとにイメージをふくらませて書いたものである。
(本書/あとがきより)