碓田のぼる 著

4/6判 上製本 定価(本体1500円+税)

田島梅子の残した作品―小説と短歌―は、決して多いものではありません。しかし、これらの作品創造のたたかいが、「冬の時代」に多くの表現者が背を低めて打ち伏していた時、田島梅子は、その風圧の直下で、病身を支えながら、明るく、毅然としてたたかい、かつ書き、また歌ったのでした。

その晩年の創造活動は、まさに「冬の時代」の一条の光芒でした。田島梅子の時代に対するその身の立て方は、今日、私たちにとって、あらためて学び直さなくてはならないでしょう(本書/「終章」より)