夕張の郷 (民主文学館)

A5判上製 336頁 

夕張に生きた坑夫がヤマと仲間に送る短篇集
   男たちの、女たちの
   怒りがあり、たたかいがあり、
   愛があり、夢がある

 1981年10月16日、北炭夕張新鉱でガス突出事故が発生、1週間後の23日、会社は59人を坑内に残したまま注水した。この事故で救援隊員10人を含む93人が犠牲になった。小縄は遺体収容作業にあたり、その後の坑道復旧作業にも従事している。
 小縄の創作活動の原点に、このガス突出事故がある。
 殺されて死んでいった仲間たちの声をどのようにすくい取るのか――小縄文学の根底には。「働く者の生活と生命を噛み切ってふとる独占資本」への憤怒がすえられている。(松本 新「解説」より)

―――目次―――
燃える石
地底の移り香
囚人坑夫
哀の鉱脈
海霧の滑走路
くらやみと霧
万字越え
カンテラ
乳の溢るる里
閉山
ガスに散る炭鉱
炭鉱の原告
夕張の郷