著者:ジャック・ゴーシュロン  大島博光 訳・解説
A5判・236頁 2003年6月発行
若くしてアラゴンの指導を受け、状況の詩を発するゴーシュロン平和は眠りを許さない(宮本百合子)――「不寝番」は、まどろんだり眠気に気をゆるめたりするわけにはいかない。もしも夢があるとすれば、それは現実世界のうえに大きく眼をひらいて、未来をつくりだすものをはっきりと見すえての夢であろう。「いま、アメリカの1大統領の狂気があの湾岸戦争をイラク戦争へと拡大し、続けて追求しようとしているこのとき、「湾岸戦争を展望する岬」は不幸にもふたたびその辛辣なアクチュアリテをとりもどすのです。」(「ゴーシュロンからの手紙」より)戦争という老いぼれの大根役者がまたしても舞台にしゃしゃり出てくる時 ……悲劇でさえもない世にも愚劣なドラマ あの昔ながらの陳腐な戦争劇だ金持ちどもの太鼓腹の 抑えがたい欲望のように傲慢な文明の癌よ        (「湾岸戦争を展望する岬」より)